☆漫画規制☆ スウェーデンの翻訳家シモンさんの講演会に行ってきました ☆ラブひな逮捕☆


以下、素人レポートです。

僕の愛する日本 ~翻訳家シモン・ルンドストロームさん講演会~

http://www.jfsribbon.org/2012/08/blog-post.html
日程:2012年8月13日(月) 13:00〜14:30
 場所:東京(文京シビックホール3F会議室)
 主催:NPO法人うぐいすリボン
 協力:昼間たかし、コンテンツ文化研究会、NPO CCC

今日はスウェーデンで漫画翻訳のお仕事をされていて
所持している漫画が児童ポルノとして起訴され、無罪を勝ち取った
シモンさんの講演会に行ってきました!

遅れて会場に入ったので既に講演が始まっていたのですが
日本人がしゃべっているのかと思いました。

シモンさんものすごく日本語上手いです!
微妙なニュアンスや聞き取り能力も殆ど完璧です。
イントネーションにほんの僅かな違和感こそありますが
翻訳家って言うのはすごいものだなと改めて感心致しました。

同じ漫画翻訳家の兼光ダニエルさんも日本語上手いです(日米ハーフですが)
ご友人だそうで今日の講演会にもダニエル氏もご出席。

スウェーデンはたったひとつの出版社が細々と
日本の漫画を出しているそうなんですが、
今回シモンさんの所持した漫画が児童ポルノとして認定され逮捕されたことで
シモンさんはそこでの仕事が打ち切り。
収入的に大打撃だそうで・・(>_<; 無罪を勝ち取っても前途は多難のようです。

新聞、テレビ、ラジオ、そして警察すら味方してくれた

シモンさんの所持し逮捕された漫画がどのようなものか?
逮捕当時の記事(Google翻訳)

一枚目はある意味ショッキングで「ラブひな」です。
私の感覚では18禁に当たるような画像はありません。
リンクを踏んでも(多分)大丈夫ですよ~

記事の著者は「海賊党」の方。
海外でダウンロード違法化に反対していることで知っている人もいるでしょう。
ヨーロッパで表現、言論の自由のためネット規制にも対抗している団体です。

シモンさんが言うにはエロ漫画といえるようなモノは殆ど所持していないそうで、
同人誌の一冊程度のものだと。

PCのハードディスク内で数十枚(30枚くらいだったかな・・忘れました
起訴され児童ポルノとして認定されたものはさらに数が少なくなり
(ラブひなも違法性が弱いということで途中で外されています。
最終的に完全にNGとなったのは一枚だけ。

それも児童と大人による性描写はあるが、
局部が描かれているわけでもなく、特別異常と言うものでもないようで
多少嫌悪感を感じる程度のものらしい。

シモンさんが言うには、政治的な判断によるものではないか?
スウェーデンで最高裁判所が表現の自由を今後問題提起していくには
NGの画像があるほうが都合が良いそうで。

日刊サイゾー
【速報】スウェーデン「非実在青少年」裁判 スウェーデン最高裁が起訴自体を批判し無罪判決

驚くべきことは殆どのマスメディア、
逮捕した警察、裁判所すらシモンさんに味方した。

漫画なんか取り締まるヒマがあったら現実の子供を救うべきだ!
漫画にそこまでの有害性は無く、表現の自由のほうが重い。

概ねこのような方向で一致、もっともな判断だと私は思います。
紙の上の線をどうこう言うより、現実の子供の被害を減らすために警察はある。
税金を注ぎ込むのは全くの無駄である。
法律の方がおかしいと皆が判断したわけです。

スウェーデンは実質無信教であり固い国ではない

「ラブひな」で逮捕されるくらいだからどんなトンデモ宗教国家だろう?
私はそういう先入観は少なからず持っていました。

過剰なまでにモラルを追求するのは宗教団体が多いのですが、
スウェーデンは実際には宗教はそれほど盛んでなく礼拝にも行かない人が多い。
現実はそんなもののようです。

また、性に対して特別厳しい国民感情があるわけではないようで、
小説では未成年の性表現は当たり前に存在し、
スウェーデンはニッチな漫画やインターネットだけが規制対象になってしまっているらしい。

ではなぜ、規制が過剰なまでに進行してしまったのか?

同国の法務大臣が過激な児童保護団体の会長であったり。
王室がそういった団体と非常に深く繋がっている事情があるようだ。

児童ポルノという規制が始まった過程も、
10代前半の児童が安易に稼ぐ手段としてティーンポルノに出演し
社会問題化したという背景があるそうで、
日本の援助交際を彷彿とさせます。

遠い国が少し近くなったように感じないでしょうか?
実情と言うものは中の人に聞かないとわからないものなんですね。

地獄への道は善意で敷き詰められている

シモンさんが発言されたこの言葉。
私も規制問題に関わって何度も噛み締めている言葉です。
はっきり言えば今の日本の状況は芳しくないです。

まさに、これから漫画の所持が禁止されていく過程にあります。
段階としては実写の所持が禁止されるのが先だろうと思います。

児童の虐待画像の所持なんて禁止されて当たり前!
そういうふうに思う人が多数派でしょう。
では、そもそも何が児童ポルノであり、どのような捜査がされ、どのような結果を生むのか?

150万部ものベストセラーである宮沢りえの「サンタフェ」の所持が犯罪になることや
18歳未満に見えうるあらゆる性表現の禁止を推進するための激烈なネット監視。
それが漫画に及んだときの表現の萎縮。

既に規制がされている各国の状況は私が統計を探してまとめています。
「世界の児童ポルノ規制、統計」資料室」をトゥギャりました。

私は未来を大いに憂いています。
シモンさんの住んでいたスウェーデンでは児童ポルノに関するものは表現の自由から除外され、
抗議して書いたブログまでアクセスをブロックされてしまったそうです。

わたしの「KITAJIMAのお絵かき研究所」も
移転するまで20歳未満の携帯電話から見れない状態にありました。
今でも国内のある検索ではサイト名ではセーフサーチを外さないと検索することはできませんし
海外の検索の一部では既に存在が削除されています。

このブログは私にとって最後の砦とすべきものであり
規制問題の記事はあまり書くべきではないかもしれないのですが・・・
具体名は出さない方向で控えめに書いちゃいました。
状況によってはこの記事は消さざるをえなくなるかもしれません。
分離することも視野に入れています。

できる限り多くの人に表現の素晴らしさと、守ることの大切さを伝えていきたい。
あきらめませんよ~

シモンさんはとても理知的で話の上手い方でした。
参加者の平均年齢は30台中盤で男性が8割くらいかな。
素人の私がどうこうすることもできませんので、
うぐいすリボンや、→コンテンツ文化研究会を支援していきたいと考えています。


今回のイベントに出演されていた昼間たかし記者の漫画論争vol.7発売中です!
せまり来る著作権、TPP問題。いろいろ山積みです・・

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